海外の展示会に商品サンプルを持っていきたい、撮影機材や楽器を海外へ一時的に持ち出したい。
そんなときに、「通関で何を準備すればいいの?」「関税って毎回かかるの?」と不安になっていませんか?
実は、その悩みをスムーズに解決できるのが「ATAカルネ」です。
ATAカルネを活用すれば、複数の国でも同じ書類で手続きを進めやすく、税金の一時的な負担を抑えられる場合があります。
この記事では、ATAカルネの基本からメリット、申請方法、費用、必要書類、加盟国一覧まで、貿易や国際取引が初めての方にもわかりやすく解説します。
ATAカルネとは

ATAカルネとは、展示会の商品や商談用サンプル、撮影機材、楽器などを海外へ一時的に持ち出す際に使える「通関手続きを簡単にするための国際的な証明書」のことです。
通常、モノを海外に持ち込むと関税や輸入税がかかる場合がありますが、ATAカルネを使えば、一定期間内に日本へ持ち帰ることを条件に、多くの国で税金を一時的に免除してもらえます。
例えば、海外の展示品に商品サンプルを持参する場合、国ごとに複雑な書類を用意する手間を減らせるのが大きなメリットです。
対象となる国も多く、短期間の海外出張やイベント参加をスムーズに進めたい企業にとって便利な制度として活用されています。
また、ATAカルネの発給は、「一般社団法人 日本商事仲裁協会」がおこなっています。
【ATAカルネの対象となる荷物の例】
| 展示会用品 | 国際展示会や見本市へ出展する際に使用する展示ブース、ディスプレイ機材、商品サンプルなどを指します。 |
| 映画撮影機材 | 映画やドラマの撮影で使われるカメラ、照明機材、撮影用の小道具やセット装飾品などです。 |
| 芸術作品 | 美術展や文化交流イベントなどで展示される絵画、彫刻、陶芸作品などの美術品が該当します。 |
| 科学研究用具 | 科学研究や実験で使用される特殊機材、顕微鏡、分析装置、生物学研究用の器具などを含みます。 |
| スポーツイベント用品 | 国際的なスポーツ大会やイベントで使用するスポーツ用品、競技用具、トレーニング機材、チーム備品などです。 |
| 楽器や音響機材 | オーケストラの公演や、バンドの海外ツアーなどで使用される楽器や音響設備などを指します。 |
【ATAカルネを利用できない物品例】
・日本へ再び持ち帰らない物品
・輸出時と比べて形状や性質が変わる物品
・消耗品、食品、価額が0円の物品
・修理や加工を目的とした物品
・貸出などでリース料が発生する物品
・各国の法律で輸出入が禁止されている物品
・自然破壊につながる職業用具
・大型掘削機などの特殊機械
【ATAカルネを利用する際に注意すべき点】
・持ち込み先の国がATA条約に加盟していること
・有効期限が1年以内であること
・対象となる主な物品は商品見本、職業用具、展示用品などですが、持ち込む国によっては全ての物品が認められるとは限らないこと
・法令上、通関時に事前の許可や承認が必要な物品については、許可書・承認書を添付する必要があること
ATAカルネのメリット

ATAカルネを利用するメリットは、以下の通りです。
・複数の国で同じ書類を使える
・関税や輸入税を一時的に免除できる場合がある
・通関にかかる時間を短縮しやすい
・書類作成の負担を減らせる
最大のメリットは、海外へ一時的に持ち出す物品の手続きを大幅に簡単にできる点です。通常は国ごとに税関書類を準備したり、関税の一時預け金が必要になったりすることがありますが、ATAカルネがあればその手間を減らせます。
特に、展示会や海外出張、撮影、演奏ツアーなどで機材やサンプル品を持ち運ぶ際に便利です。
ATAカルネは、海外でのイベントや商談をスムーズに進めたい企業にとって、時間とコストの両方を抑えやすい便利な制度です。
ATAカルネとSCCカルネの違い

ATAカルネとSCCカルネは、どちらも海外へ物品を一時的に持ち出す際に使う通関書類ですが、大きな違いは利用できる国・地域です。
ATAカルネは世界の多くの加盟国で使えるのに対し、SCCカルネは日本と台湾の間で利用するための書類です。
| 比較項目 | ATAカルネ | SCCカルネ |
| 利用できる地域 | ATA加盟国・地域(世界約80 ヶ国) | 台湾 |
| 主な用途 | ・展示会用品 ・職業用具 ・商品サンプル |
同左 |
| 特徴 | 複数国で使いやすい | 台湾向けに特化 |
どちらも、展示会や商談、撮影機材の持ち込みなどで税関手続きを簡単にし、税金の一時的な負担を抑えやすい便利な制度です。
ATAカルネの申請方法

ATAカルネは、日本商事仲介協会(JCAA)を通じてオンラインで申請できます。流れは以下の通りです。
STEP1: 利用登録をする
JCAAのWebサイトで、企業または個人の利用登録をする
STEP2: 必要書類を準備する
持ち出す物品の一覧、会社情報や本人確認書類などを揃える
STEP3: オンラインで申請する
渡航先の国、利用目的、物品の内容を入力して申請する
STEP4: 料金を支払い、審査を受ける
内容確認後、発給手数料や必要に応じた保証金を支払う
STEP5: ATAカルネを受け取る
発行後、海外への持ち出し時に税関で提示して使用する
事前に対象国・対象物品かを確認しておくと、よりスムーズに申請を進められます。
ATAカルネの発給にかかる費用と日数

ATAカルネの発給費用は、基本的に18,000円〜が目安です。
これに加えて、持ち出す物品の金額や渡航する国数、通関回数によって追加料金がかかる場合があります。また、万が一の関税支払いに備えるために、保証金(または保証料)が必要になるケースもあることを頭に入れておきましょう。
発給までの日数は、書類に不備がなければ数営業日〜一週間程度を見ておくと安心です。急ぎの場合は、展示会や海外出張の日程が決まった時点で早めに申請準備に取り掛かると良いでしょう。
また、初めて利用する場合も、物品リストの作成に時間がかかりやすいため、余裕を持ったスケジュールをおすすめします。
ATAカルネ利用登録時に必要な書類

ATAカルネ利用登録時に必要な書類は、法人登録の場合と個人登録の場合で異なります。
本章では、それぞれのケースで必要な書類を紹介します。
法人登録の場合
法人でATAカルネを利用する際は、まず会社の情報を確認できる基本書類を準備しましょう。
| ATAカルネ利用登録時に必要な書類 | 詳細 |
| 登記事項証明書 | 会社名・所在地・代表者などを確認するための書類 |
| 印鑑証明書 | 会社の正式な印鑑を証明する書類 |
| 最新の決算報告書(必要な場合のみ) | 担保措置料の審査を希望する場合に提出 |
| 登録申請書 | JCAAのサイトで入力・印刷して提出 |
法人でATAカルネを利用する際は、まず会社の情報を確認できる基本書類を準備しましょう。発行から3ヶ月以内の書類が必要になる点には注意してください。
特に、中小企業や初回利用の場合は、登記事項証明書と印鑑証明書を先に用意しておくと登録をスムーズに進められます。
書類に不備がなければ、通常3営業日ほどで利用登録完了です。
個人登録の場合
個人でATAカルネを利用登録する場合は、本人確認と住所確認ができる準備をします。法人登録よりも必要書類はシンプルで、初めてでも登録しやすいのが特徴です。
| ATAカルネ利用登録時に必要な書類 | 詳細 |
| 住民票 | 申請者本人のみの記載で、マイナンバーや本籍の記載は不要です |
| 印鑑証明書 | 本人の正式な印鑑を確認するための書類 |
| 所得証明書(必要な場合のみ) | 保証料の審査を希望する場合に提出します |
いずれも申請から3ヶ月以内に発行されたものを用意しておくと安心です。
書類に不備がなければ登録は比較的スムーズに進み、一般的には数営業日で登録完了します。
ATAカルネ通関の流れ

ATAカルネを使った通関は、以下の流れで進められます。
STEP1: 日本の税関で出国手続き
出発時にATAカルネと持ち出す物品を提示し、確認を受ける
STEP2: 渡航先の税関で入国手続き
現地で書類を見せて、一時的に持ち込む手続きをする
STEP3: 帰国前に現地で出国手続き
持ち込んだ物品をそのまま持ち帰ることを確認してもらう
STEP4: 日本で再入国手続き
帰国時に再度ATAカルネを提示し、日本へ持ち戻したことを証明する
各国の税関でスタンプや確認を受けることが重要なので、書類は移動中もすぐ取り出せるように保管しておきましょう。
ATAカルネ加盟国一覧

ATA条約に加盟している主な国・地域の一覧は以下の通りです。
| 地域 | 主なATAカルネ加盟国・地域 |
| アジア | ・日本 ・中国 ・香港 ・韓国 ・シンガポール ・タイ ・インド ・インドネシア ・マレーシア |
| 北米 | ・アメリカ ・カナダ |
| 欧州 | ・ドイツ ・フランス ・イタリア ・スペイン ・オランダ ・ベルギー ・スイス ・イギリス |
| 中東 | ・UAE ・サウジアラビア ・カタール ・イスラエル |
| オセアニア | ・オーストラリア ・ニュージーランド |
| その他 | ・南アフリカ ・モロッコ ・チリ ・メキシコ ・トルコ |
ただし、国によって対象となる物品や利用条件が異なる場合があります。同じAYAカルネ加盟国であっても、展示会用品は使えてもスポーツ用品は対象外など細かなルール差があるため、申請前に渡航先の条件を確認しておくことが重要です。
ATAカルネについて詳しく知りたい方はLOGI WORKS. JAPANへ!

ATAカルネは、海外の展示会や商談、撮影、演奏ツアーなどで機材やサンプル品を一時的に持ち出す際に、とても便利な制度です。
一方で、利用できる国・対象物品・申請書類・通関時の流れなど、事前に確認すべきポイントが多く、初めて利用する方にとっては「自社のケースで使えるのかわからない」「必要書類に漏れがないか不安」と感じやすいのも事実です。
LOGI WORKS. JAPANでは、ATAカルネに関する基本的なご相談から、対象国の確認、必要書類の整理、スムーズな通関に向けた準備まで、貿易実務に精通したスタッフが丁寧にサポートします。
展示会用品や商品サンプル、撮影機材、楽器など、用途に応じた最適な進め方をご提案し、海外への一時持ち出しを安心して進められるようお手伝いします。
ATAカルネの申請や通関でお困りの際は、ぜひLOGI WORKS. JAPANへお気軽にお問い合わせください。最適な方法をご案内いたします。
まとめ:ATAカルネを活用してスムーズに通関手続きを済ませよう!

ATAカルネは、展示会用品や商品サンプル、撮影機材、楽器などを海外へ一時的に持ち出す際に通関手続きを簡単にし、関税や輸入税の一時的な負担を抑えられる便利な制度です。
加盟国であれば複数の国で同じ書類を使えるため、海外出張やイベント、商談を効率よく進めたい企業にとって大きなメリットがあります。一方で、対象国や物品、必要書類、通関の流れについては細かなルールがあるため、事前確認をしっかり行うことがスムーズな利用のポイントです。
ATAカルネの申請方法や対象商品、通関の進め方で不安がある方は、LOGI WORKS. JAPANへぜひお気軽にお問い合わせください。
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