通関手続きとは?流れと必要書類、費用や時間の目安を詳しく解説

COLUMN 貿易

通関手続き

海外との取引を始めてみたものの、「通関って何から手をつければいいのか分からない」と感じていませんか?

書類の準備、HSコードの分類、関税や消費税の計算、さらには国や地域ごとに異なる規制対応まで、通関手続きは想像以上に複雑です

しかも、ひとつのミスが通関遅延や追加コストにつながることもあるので慎重に手続きを進めることが大切です

本記事では、通関手続きの基本から費用の内訳、コストを抑えるためのコツまでを体系的に解説します。国際取引で損をしないために、まずは正しい知識を押さえましょう。

通関手続きとは?

通関手続き

通関手続きとは、貨物を輸出入する際に税関へ必要書類を提出し、関税法など関連法令に基づく審査・許可を受ける一連の手続きのことです。

具体的には、「どのような貨物を、どの数量・金額で、どの国へ輸出するのか、またはどの国から輸入するのか」を税関長に申告し、その内容について許可を得る必要があります。

輸入の場合は輸入申告を行い、関税・消費税を納付したうえで輸入許可を取得し、輸出では申告後に検査等を経て輸出許可が出されます。

インボイスやパッキングリスト原産地証明書などの書類整備が重要であり、内容に不備があると通関遅延や追加課税のリスクが生じます

適正なHSコードの分類や関税評価の判断も、円滑な国際取引を実現するための重要ポイントです。

輸出通関と輸入通関の違い

通関手続き

輸出通関と輸入通関の最大の違いは、課税関係と審査の重点項目です。

輸出通関は、貨物を海外へ送り出すために税関へ輸出申告をおこない、原則として関税はかかりませんが、外為法や安全保障貿易管理の観点から規制品目の確認が重視されます

一方、輸入通関は、海外から貨物を受け入れる際に輸入申告をおこない、関税・消費税の納付が必要となる点が大きな特徴です。加えてHSコードの分類や関税評価の適正性が厳しく審査され、税額計算の正確性が求められます

【輸出通関と輸入通関の主な違い】

比較項目 輸出通関 輸入通関
主な目的 ・貨物を国外へ搬出
・貨物の品目や安全性の管理
・貿易統計の基礎データの作成
・貨物を国内へ搬入
・自国産業の保護
・税収の確保
申告者 輸出者 輸入者
税金の有無 原則関税なし 関税・消費税が課税
審査の重点 規制品・安全保障管理 税額計算・関税評価
許可後の扱い 船積み可能 国内引取可能

【輸出編】通関手続きの流れと必要な書類

通関手続き

輸出通関は、貨物を海外へ送り出す前に税関へ輸出申告をおこない、許可を得るまでの一連の手続きです。

まず、インボイスやパッキングリストを作成し、貨物情報(品名・数量・価格・仕向地など)を確定します。

次に、NACCSを通じて輸出申告をおこない、必要に応じて税関検査を受けます。問題がなければ輸出許可が出されて、船積みが可能です。

特に、外為法に基づく該非判定や原産地証明書の準備は、遅延防止に役立ちます

【輸出通関の手続きの流れと必要な書類】

手続きの流れ 必要な書類の例
STEP1: 書類作成・保税地域(関税を支払うことなく、外国貨物の取り扱いができる場所)への搬入 ・インボイス
・パッキングリスト
STEP2: 輸出申告 ・輸出申告書
・該非判定資料
STEP3: 税関審査・検査 ・関連許可証
・原産地証明書
STEP4: 輸出許可・船積み ・B/L(船荷証券)など

電子申告システム「NACCS」によりデジタル化されて、スピーディーに通関手続きができるようになりましたが、貨物の種類や仕向け地によっては通関に時間がかかることもあるため、時間に余裕を持って手続きを進めていきましょう。

【輸入編】通関手続きの流れと必要な書類

通関手続き

輸入通関は、海外から到着した貨物を国内で引き取るために税関へ輸入申告をおこない、関税・消費税を納付して輸入許可を得るまでの手続きです。

まず、インボイスやパッキングリスト、B/L(船荷証券)などの書類をもとに、品目ごとのHSコードを確定し、課税価格を算出します。

その後、NACCSで輸入申告をおこない、税関審査や必要に応じた検査を経て、税額納付後に輸入許可が出されます。関税評価や原産地の確認は、追加課税や通関遅延を防ぐうえで重要です

【輸出通関の手続きの流れと必要な書類】

手続きの流れ 必要な書類の例
STEP1: 書類準備・保税地域への搬入 ・インボイス
・パッキングリスト
・B/L
STEP2: HSコード確定・申告 ・輸入申告書
・原産地証明書
STEP3: 税関審査・検査 他法令許可証など
STEP4: 納税・輸入許可 納税関係書類

通関手続きはどれくらいの時間がかかる?

通関手続き

通関手続きにかかる時間は、貨物の内容や申告区分、税関の混雑状況などさまざまな条件によって異なるため、一概にはいえません。しかし、書類に不備がなく、検査対象とならない場合は、申告当日から翌営業日以内に許可が出るケースも少なくありません

一方で、貨物検査が実施される場合や、HSコードの判断や関税評価に確認が必要な場合は、数日以上かかることもあります。また、食品や医薬品など他法令の確認が必要な品目はさらに時間を要します

迅速な通関のためには、正確な書類作成と事前準備が不可欠です。

国・地域ごとの通関手続きの詳細

通関手続き 通関手続きは、国や地域によって必要書類や税制、コンプライアンス要件が大きく異なります。

国・地域 必要な書類の例 税制・地方税の概要 主なコンプライアンス要件 管轄・関連機関
イギリス ・コマーシャルインボイス
・パッキングリスト
・航空貨物運送状
・HSコード
・原産地証明書
原則20%の付加価値税(VAT)。アルコール・タバコは物品税。HSコード、および原産地に基づく関税が課税。 英国歳入関税庁(HMRC)の規則遵守。CDSシステムを通じた関税申告が必要。 HMRC
インド ・通関申告書
・パッキングリスト
・コマーシャルインボイス
・HSコード
・原産地証明書
・輸出入コード(IEC)
多くの品目に関税+18%GST(IGST)。一部品目は追加課税あり。 財務省中央物品関税局(CBIC)の規制遵守。制限品目は特別許可が必要。 CBIC
アメリカ ・通関申告書
・パッキングリスト
・コマーシャルインボイス
・HSコード
・原産地証明書(必要時)
HTS(統計品目関税表)に基づく関税。VATなし。通関後に州税が課される場合がある。 米国税関・国境警備局(CBP)の規則遵守。特定品目はFDAやEPA等の許可が必要。 CBP
中国 ・船荷証券
・パッキングリスト
・コマーシャルインボイス
・HSコード
・原産地証明書
多くの品目に輸入関 +13%VAT。高級品は消費税対象。 中国税関規則の厳格な遵守。一部製品は、追加検査や認証が必要。 中国関税総署
ニュージーランド ・輸入申告書
・パッキングリスト
・コマーシャルインボイス
・HSコード
・検疫証明書(該当時)
15%GST。特定品目に関税。アルコール・タバコは物品税。 バイオセキュリティ規制遵守。税関、および第一次産業省(MPI)対応が必要。 ・ニュージーランド税関
・MPI
オーストラリア ・輸入申告書
・パッキングリスト
・コマーシャルインボイス
・HSコード
・原産地証明書
原則10%GST。品目分類に基づく関税。燃料・アルコール等は追加物品税。 バイオセキュリティ要件あり。オーストラリア国境警備隊(ABF)、および農林水産省規制への適合が必要。 ABF

各国の制度を事前に把握することが、円滑な国際取引のカギとなります

通関手続きにかかる費用とその内訳

通関手続き

通関手続きにかかる費用は、大きく「税金」と「手数料」に分かれます。

輸入の場合、主な負担は関税および消費税(または各国のVAT・GST)で、課税価格やHSコードに基づいて算出されることが一般的です。

これに加え、通関業者へ依頼する場合は、通関手数料や申告代行費用が発生します。さらに、貨物検査がおこなわれた場合の検査料、保税倉庫での保管料、書類作成費用などが加算されることもあります。

輸出では原則関税はかかりませんが、書類作成費や輸出申告手数料が必要です

【通関手続きにかかる費用の内訳と詳細】

区分 内容
関税 HSコード・原産地に基づき課税
消費税・VAT・GST 課税価格+関税をもとに算出
通関手数料 通関業者への申告代行費用
検査・保管料 税関検査や倉庫保管に伴う費用
書類作成費 インボイス・証明書発行など

事前に大まかな費用構造を把握しておけば、通関手続きにかかる総コストの見積精度を高められます。

通関手続きで費用を抑えるコツ

通関手続き

以下の2点を留意することで、通関手続きの費用を抑えられる可能性があります。

・HSコードを間違えないようにする
・関税優遇制度を活用する

本章では、それぞれのコツについて詳しく説明します。

HSコードを間違えないようにする

通関費用を抑えるうえで最も重要なのが、HSコード(統計品目番号)の正確な分類です。

HSコードは関税率を決定する基準であり、誤ったコードで申告すると、本来より高い関税が課される、あるいは修正申告や追徴課税が発生するリスクがあります。逆に、過小申告は加算税や罰則の対象となるため、注意が必要です。

品目の材質・用途・機能を正確に把握し、関税率表や通達を確認することが大切です。不明点がある場合は、事前教示制度を活用することで、税務リスクと想定外コストを回避できます。

事前教示制度とは?
輸出入をおこなう際に、税関へ貨物の取り扱いについて照会し、正式な回答(教示)を受けられる制度です。

主に「HSコード(関税分類)」「関税率(適用税率の確認)」「原産地(EPA適用可否の判断)」「関税評価(課税価格の算出方法)」などについて事前に確認できます。

例えば、ある製品のHSコード判断に迷う場合、税関に仕様書・カタログ・成分表などの資料を提出し、正式な分類回答を得ることで、通関時の見解相違や追徴課税リスクを回避することが可能です。

書面による回答は一定期間(原則3年)有効とされ、実務上のリスク管理ツールとして活用されています。特に、新商品や複合製品を扱う場合は、コスト予測の精度向上に有効です。

関税優遇制度を活用する

通関コストを削減するのに有効な方法の一つに、EPA(掲載連携協定)やFTA(自由貿易協定)などの関税優遇制度を活用することが挙げられます。

これらの協定を利用すれば、一定の原産地要件を満たす貨物について関税が無税、または低減税率となります

ただし、優遇を受けるには原産地証明書の取得や原産品判定(原産地規則の確認)が必要です。HSコードと原産地の整合性が取れていなければ適用されないため、事前確認が欠かせません。

適切に制度を活用すれば、輸入コストの大幅な圧縮につながります。

荷主が通関手続きで直面しがちな課題

通関手続き

荷主が通関手続きで直面しやすい課題は、書類不備と情報不足に起因する通関遅延です

インボイスの記載内容が不十分であったり、HSコードの分類が曖昧だったりすると、税関から内容照会を受け、スケジュールに影響が生じます。また、原産地証明書の未取得や他法令許可の確認漏れも、貨物留め置きの原因となります。

さらに、関税評価や課税価格の理解不足により想定外の税額が発生するケースも少なくありません

円滑な通関のためには、取扱品目の特性を正確に把握し、通関業者と事前に情報共有をおこなう体制整備が重要です。

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原産地証明書

通関手続きは、以下のように専門性が高い業務が多く、知識や経験がない人が対応するには大きな負担となります。

HSコードの分類
・関税評価
・原産地証明の確認
・他法令対応

書類不備や申告ミスは通関遅延や追徴課税につながり、結果として物流コストの増大を招きかねません

LOGI WORKS. JAPANは、豊富な実務知識とネットワークを活かし、通関から物流までを一貫してサポート。無駄なコストを洗い出し、最適な申告方法や輸送スキームをご提案することで、総コストの圧縮と業務効率化を実現します

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まとめ:通関手続きはプロに任せるのがおすすめ!

通関手続き

本記事では、通関手続きの基本的な流れや必要書類、輸出入の違い、費用の内訳、さらにはコストを抑えるためのポイントまでを解説しました。

通関は単なる事務手続きではなく、HSコードの適正分類や関税評価、原産地判定など専門的な判断が求められる重要業務です

対応を誤れば、通関遅延や追徴課税といったリスクにも直結します。確実かつ効率的に進めるためにも、専門家のサポートを活用することが賢明です

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